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1938年 南京 1月21日

「南京の真実」(ラーベ著:講談社)より
1月21日
 クレーガーはもう一日出発を遅らせなければならなくなった。日曜日にようやく発てるという話だ。ただし列車で。おまけに、途中で飛び降りないよう、腕っ節の強い兵士が一人、見張りにつくとか。何とかして私も旅券を手に入れよう。一目でもいい、ドーラに会いに上海に行きたい。となると、残された方法は一つ。つまり、本当のことを言うのだ。会社には「もう金がありません」と。ジーメンスの責任者である私がそんなことを言ったら、けげんな顔をされるだろう。だが、もうそんなことを言っていられる場合ではない。一月分の給料だって、クレーガーを拝み倒して5百ドル借りてようやく払ったのだ。


「南京事件の日々」(ヴォートリン著:大月書店)より
1月21日 金曜日
 地面に雪は残っているものの、温暖と言ってもよいような一日だった。泥が目下の問題だ。粥を買いに粥場へ出かける何百人もの人、さらには、キャンパスで生活している親戚に食料を差し入れにくる何百人もの人が、私たちの手に負えないほど大量の泥を建物内に持ち込んでくる。
 昼食後まもなく、午後行われる女性の集会のことを知らせるために北西の寄宿舎へ出かけようとしたとき、避難民数人が私の方へ走ってきて、キャンパスの裏手に兵士がいる、と言った。私は裏門の方へ向かい、かろうじて間に合った。というのは、4人の兵士は私を見るなり、農民の朱の家の近くの難民小屋から連れ出した3人の少女を解放したのだ。兵士たちは丘の向こうへ姿を消した。この後まもなく憲兵の一団がキャンパスに来たので、事件の顛末を彼らに報告することができた。さらにしばらくしてから、将校2人がやってきて、彼らが南京城外に駐屯していることを告げた。
 ここ数日間、悲しみで狂乱状態の女性たちが報告してきたところでは、12月13日以来、夫や息子が行方不明になっている件数は568件(?)にのぼる。彼女たちは、夫は日本軍のための労務要員として連行されたのだと、今もそう信じている。しかし、私たちの多くは、彼らは黒焦げになった死体に混じって、古林寺からそう遠くない池に放り込まれているか、埋葬されることなく定准門外にうずたかく積まれた半焦げ死体に紛れ込んでいるのではないかと思っている。12月16日の一日だけで422人が連行されたが、この数は、主としてここのキャンパスにいる女性の報告によるものだ。16歳か17歳の若者多数が連行された。また、12歳の少年が行方不明であるとの報告もあった。ほとんどの場合、連行された者は一家の唯一の稼ぎ手であった。
 女性や子どものための午後の集会は続いている。自立手段を持たない女性たちのための職業訓練学校の開設計画に着手しようとしているところだ。
 5時、アメリカ大使館に出向き、ジョン・アリソン三等書記官ときわめて満足のいく話し合いをした。彼は私たちに、アメリカ人に対する権利の侵害を逐一報告することを切望している。私たちのために主張し、行動してくれるよう、ドイツ、イギリス及びアメリカの政府代表に南京に戻ってもらうことが、不幸な南京の人々にとって大いに意味のあることなのだ。アリソン氏は、非常に思慮深い人のように思われる。
 『新生報』という新しい新聞が発行されているが、その1月8日付けに、「難民を優しく慰撫する日本軍。南京市に融和の雰囲気が明るく広がる」と題する記事がある。この記事は25の文から成り、そのうち太陽、鼓楼、憲兵、及び日本国旗の地位に関する四つの文は真実を述べている。それ以外は一つが半ば真実、19の文は誤り、残り一つについては、私には判断がつかない。正誤テストなら、あまり高い得点とは言えない。
 レベッカに無線電報を送った。
 昨夜、二条巷(安全区内)にある王さんの親戚の家に4回にわたって兵士がやってきた。1回は、兵士が少女を連れ去ろうとしたが、彼女はうまく難を逃れた。後の3回はちょっとした略奪だった。ここの避難民に帰宅するよう説得できない理由がわかってもらえるだろう。


「Imagine 9」解説【合同出版】より



女性たちが


平和をつくる世界



 戦争で一番苦しむのは、いつも女たちです。戦争で女たちは、強姦され、殺され、難民となってきました。それだけでなく女たちは、男たちが戦場に行くことを支えることを強いられ、さらに男たちがいなくなった後の家族の生活も支えなければなりません。戦場では軍隊の「慰安婦」として、女たちは強制的に男たちの相手をさせられてきました。これは「性の奴隷制」であると世界の人々は気づき、このような制度を告発しています。
 男が働き、戦う。女はそれを支える。昔から、このような考え方が正しいものだとされてきました。最近では日本の大臣が「女は子を生む機械だ」と発言して問題になりました。その背景には「女は子を生む機械だ。男は働き戦う機械だ」という考え方があったのではないでしょうか。第二次世界大戦下、日本の政府は、こういう考え方をほめたたえ、人々を戦争に駆り立ててきました。このような男女の役割の考え方と、軍国主義はつながっているのです。
 「男は強く女は弱い」という偏見に基づいた、いわゆる「強さ」「勇敢さ」といった意識が、世界の武力を支えています。外からの脅威に対して、武力で対抗すれば「男らしく勇ましい」とほめられる一方、話し合おうとすれば「軟弱で女々しい」と非難されます。しかし、平和を追求することこそ、本当の勇気ではないでしょうか。私たちが、国々や人々どうしがともに生きる世界を望むならば、こうした「男らしさ、女らしさ」の価値観を疑ってかかり、「強さ」という考え方を転換する必要があります。



第九条【戦争放棄、軍備及び交戦権の否認】

1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。


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15年戦争時、中国・日本で起こったことを書きたい。

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